金融機関の選定
不動産投資では借入金利が重要ですが、利用する金融機関によって適用金利や融資条件、審査の難易度が大きく変わってきます。
住宅ローンとの大きな違いは、日本政策金融公庫の融資の需要が高い点です。
借入期間や希望する金利のタイプ(固定・変動)、自己資金の有無によって最適な金融機関が変わってきます。
不動産投資における金融機関選定のポイントをまとめました。
日本政策金融公庫の特徴
日本政策金融公庫は政府系の金融機関で事業融資を得意にしています。
居住用の住宅ローンでは利用できないですが、不動産投資用ローンの取り扱いがあります。
簡単に表現すれば不動産投資版の日本住宅金融公庫(フラット35)のような存在です。
扱っているのは固定金利のみで金利は主に2%以下です(2019年5月現在)。条件や利用できる制度によっては1%以下の超低金利ローンを利用できるケースもあります。
審査が比較的緩くてメリットが多いですが、長期ローンに強いフラット35とは違い、日本政策金融公庫の不動産投資ローンは10~15年以下の短中期しか扱いがありません。
また、ローン審査では自己資金比率を重視される傾向があります。
取得する物件が比較的安い場合や、相応の自己資金を用意できる場合におすすめです。
目的によってローン商品を絞り込む
不動産投資ローンを扱っている金融機関は以下の種類があります。
- 都市銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
- 信用組合
- ネットバンク
- 日本政策金融公庫
住宅ローンではネットバンクの変動金利が安くて人気を集めています。
不動産投資用ローンの場合、不動産投資用ローン自体を扱っていないネットバンクが多いです。
ネットバンク系では住信SBIネット銀行やオリックス銀行が不動産投資用ローンが人気です。
金融機関によって区分所有向けのマンションローンやアパート建設向けのアパートローン、長期固定や変動など得意分野が異なります。
まずは、希望する不動産投資用ローンの種類を決めて、そこから各金融機関の金利と条件比較しましょう。
住宅ローンの場合はフラット35か全期間変動の2択で選ぶ方が多いですが、不動産担保ローンは一部固定の需要も高く、資金計画によって最適なローンが変わってきます。
金融機関の選定およびローンの組み方について、不動産投資のプロから適切なアドバイスを受ける必要性が高いです。
一般的に金融機関は以下の順番で審査基準が厳しいと言われています。
ネットバンク > 都市銀行 > 地方銀行 > 信用金庫・信用組合
審査が厳しい金融機関は適用利率が低い傾向があります。
ただし、あくまでも全体的な傾向で、審査基準は各金融機関で異なります。
なかには地方銀行の審査に落ちたけど都市銀行やネットバンクの審査に通過するケースがあります。
時間に余裕があれば不安要素があっても好条件でローンを組める金融機関の審査を受けることから始めましょう。→[参考]金融機関の審査基準について
おわりに
不動産投資ローンの金融機関選びは難しいことが多く、金利の低さだけではなく初期費用や将来的なリスク回避も考慮する必要があります。
自己資金や想定空室率・家賃下落率によっても最適なローンの組み方は変わってきます。
金融機関の選定で失敗しないためには、不動産投資会社の適切なアドバイスが必要です。
また、不動産投資会社を通じて提携先の金融機関に申し込むことで審査が有利になるケースもあります。
成約を重視して審査に通りやすい所を斡旋するのではなく、詳細なシミュレーションを立てた上でローン商品の提案をしてくる不動産投資会社を見つけられるかが重要です。
複数パターンのシミュレーションを出して、固定と変動など金利タイプに応じたメリット・デメリットをしっかり説明してくれる所は信頼できます。